2024/11/24 21:46
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2012/02/03 17:06
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原発事故で拡散した放射性物質から逃れるために、住み慣れた町を離れ、避難先を転々とし、ようやく落ち着ける住まいを得た―はずだった。ところが、その新居が放射性物質で汚染されていたとは。 「避難した先で被ばくするなんて」。何の落ち度もない住民の困惑、逃げ場のない被ばく不安を思うと、対応が後手に回るばかりの政府に、不信感をぬぐえない。 福島県二本松市の新築マンション1階の室内で、屋外より高い放射線量が測定された。マンションのコンクリートの基礎部分は、原発事故で計画的避難区域となった同県浪江町の砕石場の石が使われていた。この石が汚染されていたとみられる。 なぜ、このような事態となったのか。 経済産業省によると、警戒区域や計画的避難区域内の砕石場の石について、放射性物質の基準は設けておらず、出荷制限もしていなかった。このため原発事故後、区域が設定されるまでの間、同じ砕石場から約5200トンが出荷されたという。 問題発覚後の調査で、同じ砕石を混ぜたコンクリートは、同市内の農業用水路に使われ、やはり高線量が測定された。小学校の通学路の補修にも使われていた。 汚染された砕石の流通経路を早急に突き止め、線量が高い場合は、撤去や遮へいなどの対応を急いでもらいたい。不安を抱えながら暮らすマンション住民の転居、同じく被害者でもある建物所有者への補償についても、国が責任をもって支援すべきだ。 「想定外だった」。砕石業者を所管する経産省の担当者からは、またも、この釈明の言葉が出た。が、言い訳にしか聞こえない。 コンクリートの材料のうち、セメントについては、放射性物質の基準を作っていた。原材料の汚泥からセシウムが検出されたためだ。 そもそも放射線量が高いために、砕石場周辺の地域は計画的避難区域に設定された。原発事故後の出荷の有無や、汚染されていないかどうかを把握するのは当然だ。 福島県が昨年5月、政府に、建材の放射線基準を示すよう申し入れていたことも判明した。どう対応したのか。 昨年夏、汚染された稲わらを餌として与えた肉牛から、放射性セシウムの検出が相次いだ。これまでの混乱に思いを巡らせば、今回の事態は想定でき、もっと早く対応できたのではないか。 放射線チェッカーG 根拠のない原発の安全神話にとらわれ、政府も東京電力も全電源喪失やメルトダウン(炉心溶融)などの対策を取ってこなかった。 その結果、いったん重大事故が起きてしまうと政府自体が混乱に陥り、行政が想定しない事態が次々と発生し、その場しのぎの対応に終始してしまう。明らかになった砕石汚染は、そんな原発事故の深刻さを象徴する出来事だ。 事故から10カ月余り。政府の「収束宣言」もあり、一段落した錯覚に陥りがちだ。だが現実はそうではない。原発事故は、まだ終わっていない。 PR |
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